フカヒレの定義と種類
フカヒレとは、サメのヒレを乾燥させて作られた食材のこと。日本では江戸時代より中国への輸出品として製造されてきた歴史があり、俵物三品として珍重されてきました。
種類は形によって大きく二分されており、ヒレの形を保って乾燥させた「排翅(パイツー)」、ヒレの繊維をほぐしてバラバラにして乾燥させた「散翅(サンツー)」があります。
フカヒレの製造工程
フカヒレは、用途に応じてさまざまな加工方法があります。
原ビレ加工(丸干し製造)
サメの皮や骨がついたままのヒレを、天日で乾燥させる加工方法です。当社では、季節や気候に応じて変化するヒレの状態を見ながら、気仙沼で職人が仕上げています。
乾燥は、ヒレに含まれるコラーゲンが19℃で融解することから、気温の低い11月~翌4月にかけて、90日前後かけています。でき上がった製品は原ビレ(げんびれ)と呼ばれます。
排翅(パイツー)加工(スムキ製造)
ヒレから皮や骨を取り除き、乾燥機で乾かした乾物「スムキ」を作った後、戻してフカヒレの形にする、当社独自の加工方法です。
生のヒレの状態から、仕上げまでにかかる日数は約21日間。丸干しと異なり、季節を問わず製造でき、乾燥時間が短縮されるため、お客様に安定的に提供することができます。
また、乾物から戻し済であるため、仕入れてすぐに調理できる利便性があります。
散翅(サンツー)加工(スムキ製造)
スムキを作った後、水に浸して戻し、フカヒレの繊維(金糸)をほぐした状態で製品にする加工方法です。異物選別を徹底しており、使用するサメの種類や部位によって異なる食感に仕上がります。
生のヒレの状態から、仕上げまでにかかる日数は約7日間。冷凍品として流通しています。
フカヒレの調理例
フカヒレは魚種、部位、大きさ、加工方法によって、見た目も食感も大きく異なります。中国料理以外でも、幅広い料理にご活用いただいています。