株式会社 中華・高橋

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株式会社 中華・高橋

代表インタビュー
中華・高橋のこれまでとこれから

代表インタビュー 中華・高橋のこれまでとこれから

1973年生まれ 株式会社中華・高橋の三代目代表
幼い時には自宅に社員の方が二代目を迎えにきていたり、新社屋完成時は遊びに行ったりしていた。学生の時も中国での事業開始時やスペインでのフカヒレの海外加工テストに同行したりと、家業として身近な存在だった。
大学卒業後、株式会社中華・高橋入社。2001年 、株式会社中華・高橋、株式会社中華高橋水産の代表取締役社長に就任。

フカヒレ頼りではない事業構想を

初代が1953年に創業した際は、戦時中に中国で通訳をしていた経験を活かし、貝柱やフカヒレなど乾物の取り扱いからスタート。その後も中華料理レストランに食材を卸す二次卸だったのが、2代目である父の時代にフカヒレの生産加工をはじめ、メーカー機能を強化してきました。当時、フカヒレを扱う会社で仕入れから製造、販売も一気通貫でできる企業は他にほとんど無かったし、それは現在までも続いていて、フカヒレ市場のシェアNo1を維持できている。

自分自身は2001年、28歳のときに2代目の早逝により、3代目社長を継ぐことになりました。その時にはフカヒレの売上構成比は19%だったのが、その後どんどん増えて5割近くになって…。海外の環境保護団体がサメの保護を訴えはじめ、ワシントン条約の会合でもサメが議題に上がるようになっている中にフカヒレ依存の体制でいることに、強い危機感があった。実際には中高で使用しているサメは絶滅リスクも低く、資源状態も問題ないんだけど、ニュース等では一元的にサメ漁はNOという論調となり、取引先の大手外資系ホテルがメニューからフカヒレを外すことを決定。またその少し前に、宮城県気仙沼の自社フカヒレ工場が東日本大震災で大きな被害を受けたこともあり、いよいよフカヒレ頼りの状況から脱却するための新事業を構想していかなければならないな、とフカヒレに並ぶ製造部門を育てることを決意しました。

何をするか?そこで2点に着目した。一つは、中華食材卸を60年近くやってきたから持つシェフたちとの繋がり。そしてもう一つは、将来の料理人不足による調理品の台頭。そこから導き出した答えは、プロも納得の「美味しい冷凍惣菜」と複雑に食材を混ぜ合わせてできる「美味しい中華の合わせ調味料」を世に出すメーカーを立ち上げるということ。2013年にメーカー事業「C‘s kitchen」を開始し、現在はオリジナル冷凍総菜や調味料といった自社製品の開発製造の他、外部企業向けのレシピ開発やOEMなどを手掛けています。最初は「手元にあるものを売る、ではなくお客様の潜在意識にあるものを作って売るんだ」ということを営業部隊になかなか理解してもらえず、ホテルレストラン向けでは苦戦していたので、大手ファストフードでのフカヒレスープやコンビニのふかひれまんの具など…広域営業部隊である事業開発の案件がメインだったのが、コロナによりホテルレストランの案件もぐっと増えました。

また、リーマンショックを機に、やはり中華レストランだけでは景気に左右される度合いが大きくなるぞ、と販路の多様化も推進。これまで中華のメニューが入っていなかった和食・寿司業態や焼き肉業態などの開拓にも力を入れ、更に事業開発部により食品メーカーや大手外食チェーン、大手スーパーなどの顧客を増やすことができた。おかげでコロナ禍にレストラン向けの売上が落ち込む中でも、大手外食チェーンや大手スーパー向けの売上は例年並みを維持しています。惣菜販売やオンライン通販は前年比150~200%と、コロナ禍だからこそ売上を伸ばした事業も!

コロナ禍での働き方改革・営業手法の変革

コロナでレストラン向けの売上が減った分時間ができたので、DX化による業務改善や働き方改革を進めてきた。特に受注業務では手間のかかる昔ながらの電話やFAXでの受注をやめよう、とスマホアプリでの受注、さらにはRPA導入による入力の自動化を進め、業務にかかる時間は20分の1に激減。配送現場の改革では、夜間作業を廃止し、これまで時間的にすれ違っていた担当者同士が一緒に作業することで現場の雰囲気が良くなり、ますます改善提案が出てくるという嬉しい変化もありました。その他にも経費精算や勤怠管理・購買管理などの電子化も次々進めていき、それまで年間109日しかなかった休日を121日まで増やすことができた。その前は自分でも嫌になるくらいブラックな環境で、ずーっと変えたいと思っていたのが、ようやく若い人も採用できるようになった。
いまは主要業務である営業やマーケティングのデジタル化も推し進めている途中。2022年11月には会員制の卸売りECサイトをローンチしました。訪問型営業では、①お客様とコンタクトできる時間が限られる、②営業マン個人のスキル差により顧客が得られる情報量に差が発生する、③拠点からの距離により営業できる範囲が限られる、といった機会損失が発生してしまうのを、ECサイトでは全国の顧客が、好きな時間に、整理されたわかりやすい情報にアクセスすることができる。ゆくゆくは通常のECサイトとの差別化を進め、訪問型営業とほぼ同じことができるような、営業活動全体のデジタル化を目指しています。

中華がもたらす楽しく豊かな暮らし

まず中華・高橋のミッションは『日本中に美味しい中華料理のある、楽しく豊かな生活をもたらす』ということ。これは我々が果たすべき役割であり使命だよね。具体的には、生活の中にさりげなく中華料理があるっていうのが、すごくいいなと思っていて…おかずの一品になるのはもちろん、デザート一つとっても選択肢に自然に挙がる状態。中華って相変わらず御三家「エビチリ・酢豚・麻婆豆腐」の枠に収まってしまっていて、もっともっと広い世界があるのにそれが知られていないし、広まってもいない。自分は中華が生活にもっと浸透することで豊かさを感じることができるようになると思っている。

WEBメディアの『80c』ではまさにそこへのアプローチを行っているんだけど、中華の奥行やディープな部分を発信することで、世の中に中華を意識する人が増えるように。特に、場所やモノを提供する側の人たちが中華の良さを知ることで、それを商品にしたり空間にしたりと表現し始める。軽井沢のシノワズリスタイルアフタヌーンティーの記事があったけどそんな感じで、だんだん地方に広がりはじめる。
この間気仙沼の工場にインターンで来た地元の高校生の子に、いつもご飯は何食べてるの?って聞いたら、やっぱり和食なんだよね。朝食も和食、明日もたぶん和食かなって。もちろん和食も美味しいけど、もっと別の選択肢があるのを知ってほしい。色鉛筆でも、6色のものと24色のものがあったら、どちらの方が華やぎがあって気分があがるかっていうところでは絶対24色の方が良いでしょ?そういう彩りを増やしていくことに関して、中華はとても親和性があると思っています。食材は豊富だし、調味料も多岐にわたるし。例えば、あのたれシリーズが一個あれば、家にある調味料では作れない、自分の全く知らない世界の味わいに触れられる。まさしく食卓に華を与えてくれる。そういった一つひとつが、中華がもたらす楽しく豊かな暮らしなのかなと。

中華料理業界のオーガナイザー

そしてビジョンである『中華料理業界のオーガナイザーになろう』は、このミッションを達成するためのマイルストーン的な、5年後・10年後にこうなっていたい!を言語化したものだと思っています。営業の人たちって単にモノを売っている訳じゃなくて、体中に血液を送るような、日本中に中華を届ける役割を果たしている。売れて良かった、ではなく、提供するモノで人々の暮らしを楽しく豊かにしていくというのは、業界を取りまとめて動かしていくようなオーガナイザーの立場なんじゃないかな。中華・高橋は、フカヒレに関しては既にマーケターみたいな立ち位置になれていると思う。次は中華業界で、中華・高橋が無ければ成り立たない、価値やトレンドを決定していくような存在になっているかどうかが大切なのかなと。

「中華料理業界のオーガナイザー」と言っているけど、決して中華料理レストランの業界だけという訳ではなくて、今はコンビニでも外食チェーンでも食品メーカーも、みんな何かしら中華に関わることはやっているから、そういった中華に関わること全てが対象。何か中華をやろうって時に、まず中華・高橋に相談しよう!味作りや原料の手配、情報発信まで…中華・高橋に任せれば間違いないし安心、逆に言えばいないと困るよね、みたいな。中華といったら、中華・高橋。その認識をどれだけ多くの人に抱いてもらえるか。わかりやすく言えば、ありとあらゆる業界の方たちが中華・高橋をご指名いただいて、みんなが相談したがっている状態が、オーガナイザーになっている状態。まずはその立場を確立すれば、ある程度市場をコントロールして、中華で楽しく豊かな暮らしをもたらす環境を作ることがよりスピーディにできる。中華・高橋一社だけで暮らしを変革するのは難しいが、流通や中食など、インフラ化している企業を多数活用して動かしていければ。

CHUTAKA Visonの5つの柱

2018年に「CHUTAKA Vison 2023」という、当時から5年後である2023年にはこんな立場を確立していたいという目標を設定した。その中で、メーカー事業は順調に対外的にもメーカー的立場として認識してもらえるようになっているが、その他のところも推し進めていきます。コロナで足踏みしてしまったことも踏まえ、あと5年かけてこの5大事業をそれぞれ売上の大小ではなく、客観的に誰もが認める品質のものを取り扱えている、商品でも、情報でも、その分野で一番素晴らしいと思われる作り手に認められるような実力がある状態…つまりは一流っていうことなんだけど。そうなるように育て上げていきたい。

もっと中華・高橋のことを知りたい!という方は2022年BSテレビ東京「グロースの翼」にて髙橋社長が密着取材を受けた動画「サメに‘‘市民権’’を」も是非ご覧ください。

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